性と愛の不安

性と愛の不安

　

宴（うたげ）のあとの虚しさ

感動や笑顔や涙
役にも立たない知識
持続力のない熱狂
わたしの過去はそんなもの

わたしのバ.カげた分身たちを
あるいは売りとばし
あるいはゴミの日に出し
わたしにバ.カげた穴があいた
どうせまた穴は埋まる
今度もよく似たようなもの。。。

by　レンゲ

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『愛する感覚』より

レンゲさん、元気ないですね。。。どうしたんですか？

いつものことですわ。

せっかくバンクーバーまでやってきて、久しぶりで仕事を忘れて気持ちを入れ替えたんでしょう？もう少し元気を出してくださいよ。

なんだか疲れましたわ。

時差で体調を崩したんですか？まだ疲れが抜けきらないんですか？

精神的なものですわ。

誰だって“遠足”のあとでは幾分、虚脱状態になりますからね。。。それで、今日は仕事を休んだんですか？

奥様が２、３日休養を取りなさいって。。。

直美がそう言ったんですか？

そうです。

レンゲさんが、あんまり沈んでいるからですよ。。。清水君とやり直すのが一番ですよ。

デンマンさん。。。、洋ちゃんのことは言わないでくださいな。

どうしてですか。。。？あれほど愛し合っていたでしょう？

デンマンさん。。。、あたしはどうして長続きしないんでしょうか？

レンゲさんが勝手にそう思い込んでいるだけですよ。

デンマンさんは、奥様と離れて暮らしていて寂しくもならないし、不安にもならないのですの？

そういうことは余り考えた事がないですよ。。。というより、余り考えないようにしていますよ。

奥様が浮気するかもしれないと心配にならないのですか？

そんなことを心配したって仕方がないでしょう。

奥様はこれまでに浮気した事があるのですか？

僕は何度か疑ってみた事がありましたよ。。。実際、幾度かそのことで、もめた事もありましたよ。

それで。。。奥様は何とおっしゃったのですか？

やましい事はしていないって。。。

デンマンさんは奥様を信じているんですのね。

信じるとか信じない。。。という事じゃなくて、諦（あきら）めですよ。

でも、デンマンさんは信頼で結ばれているとおっしゃいましたわ。

だから、言葉に出して言えばそういうことになるでしょう。だけど、“信頼”と言うほどきれいなものじゃないですよ。

どういうことですか？

つまりね、率直に言えば諦めのようなものですよ。

仕方ないから夫婦でいると言うことですか？

まあ、ねえぇ～。。。一言で言えば、そういうことですよ。そうでも思わない限り長続きがしないと僕は思いますよ。

でも、デンマンさんは奥様の事を愛しているとおっしゃいました。

だから、言葉に出して言えば、そういう言い方しかできないでしょう。。。そう言うのが一番簡単ですからね。

では、あたしのことを“愛（いと）しい”とか“愛している”と言う時も、そう言うのが簡単で手っ取り早いからそう言うのですか？

直美を愛しているのと、レンゲさんを愛しているのは。。。例えて言えば“ご飯を食べる”と“バナナを食べる”と言うようなものですよ。

どういうことですか？

好きでご飯を食べると言う人は余り居ませんよね。ご飯は好き嫌いに関わらず食べるものだから、とりわけ好きだとか嫌いだとか問題にしないですよ。“ご飯が好きですか？”と尋ねる人はまずいませんよ。でしょう？長年連れ添えば、夫婦は相手の事をそのように感じるようになると思いますよ。でもデザートに何を食べるか。。。？　それは、その人の好き好きですよ。食べたくなければ何も食べないだろうし、バナナがあれば、バナナに手を伸ばして食べるだろうし、お茶だけで満足する人も居るだろうし。。。

つまり、あたしはデンマンさんにとって、どうでもよい存在なんですのね？。。。そこにバナナがあるから手を伸ばしてバナナを食べる。。。なくても別に困る事もない。。。そういうことですか？

だから、たとえ話ですよ。。。夫婦の愛に焦点を当てて説明したから、ご飯とバナナになった。たとえ話ではレンゲさんはバナナだけれども、実際のレンゲさんはバナナではありませんからね。

でも、あたしはデンマンさんが言うようにバナナのような存在ですわ。あたしなど居ても居なくてもデンマンさんの人生には全く影響がないんですわ。だから、デンマンさんはあたしと一緒に居たいなんて思わない。あたしを冷たく突き放しても平気なんですわ。

たとえ話ではその通りです。でも、レンゲさんは僕にとって心の恋人なんですよ。そして、レンゲさんも心の恋人として僕の“求愛”を受け入れたんですよ。

冗談ぬきで、舞い上がるような
いい気持ちです。

2004-8-16 19:46



ご苦労様、ありがとうございます。
バンクーバーでのわたしは、
デンマンさんにエスコートされて、
のびのびした表情をしていますね。
ここ大阪では考えられません。

あたしの精神年齢は３２歳ですか？
大人ですね。
昔から思索にふけることが
多かったのですが、
そういった時に、
わたしは大人に
なれるのかもしれません。

でも、妄想にふける
中学生のわたしもいますが。
もうひとつ言えば、
不安にさまよう
４歳のわたしもいます。

わたしの詩･･･
（自分では自慰行為と呼んでいますが）
人に見せるのも、
まして批評していただけるなんて、
全く初めてだったんです。

デンマンさんが感想を書いて下さって、
冗談ぬきで、舞い上がるようないい気持ちです。
ネットで公開してよかった･･･

デンマンさんは少々わたしのことを、
買いかぶっておられるんじゃないかと、
少し不安です。

わたしがデンマンさんの“心の恋人”足り得るか･･･
いつか、ガッカリさせてしまうのではないかと、
自分自身の内面を省みて、心配になっています。

それにしても、わたしは幸せ者ですね。
この、“夢のバンクーバー”で、
わたしはデンマンさんを独占してしまったのですから
本当にありがとうございます。

質問の方もできるだけ早く、残りをお答えしますね。

by　RENGE

『次元の違いとは端的に言うと』より

分かるでしょう、レンゲさん。。。僕とレンゲさんは“心の恋人”なんですよ。レンゲさんだって、こうして認めているでしょう？

でも。。。でも。。。

なんですか？

この手記を書いた時からもう２年になりますわ。

だから。。。？

だから。。。あたし。。。バナナからご飯になってもよいのではと。。。

それは間違っていますよ。

なぜですの？

僕には直美と言う“ご飯”がありますよ。レンゲさんにだって、清水君という“ご飯”がある。上の手記でレンゲさんが書いていることは、詩の世界で僕を独占したと言う事なんですよ。そうでしょう？詩の世界でレンゲさんと心と心で結ばれていると言うことですよ。僕とレンゲさんは詩の世界で間違いなく比翼連理なんですよ。

『比翼連理(ひよくれんり)』



男女の相思相愛の仲をいう。
思い寄せる二人のきずなが永遠であること。

中国の西の果てに想像上の鳥が居ると伝えられています。
その鳥はオスとメスがそれぞれ一足、一翼、一目で常に雌雄一体で翼を比(なら)べて飛んでいる。
これが比翼の鳥です。

連理とは、根元は別々の二本の木がくっついて幹や枝が重なり、木目(理)が連なったものを、そう呼びます。
そのような枝のことを“連理の枝”と言います。
だから｢比翼連理(ひよくれんり)｣と言えば、いつでもくっついて離れられない男女(夫婦や恋人や愛人同士)の仲睦まじいさまを言います。

白楽天の｢長恨歌｣では、死んだ楊貴妃の魂は、天にあっていかにも寂しげに、梨花一枝(りかいっし)春雨を帯びる風情だった、と詠まれています。 玄宗との仲睦まじかった日々をしのんで楊貴妃は次のように語ります。

七月七日長生殿
夜半人無く私語せし時
天に在りては願わくば
比翼の鳥と作(な)り
地に在りては願わくは
連理の枝と為らん

もっと分かり易く言い直すと次のようになります。

七夕の夜、二人きり。
陛下はわたしにささやかれた。
天にあっては比翼の鳥、
地にあっては連理の枝。
二人はいつでもいっしょだよと。
その誓いも今は空しく、
私は天にあり、
陛下は地にとどまって、
別れ別れです。

でもね、レンゲさんは現実の世界で比翼連理を願うから、そこに無理がある。現実に、比翼連理なんてありっこないんですよ。レンゲさんだって、分かっているでしょう？

デンマンさんは、どうしてそうはっきりと断定してしまうのですか？

レンゲさんは純粋に一人の男だけを生涯愛してゆけると思っているのですか？例えばですよ、うへへへへ。。。僕だけをこれからずっと愛して行けると思えるのですか？他の男に目もくれず、夢にも他の男を見ないで、ただ僕だけを愛し続けて余生を送る事ができるとレンゲさんはマジで考える事ができるのですか？

そういう事だってありえると思いますわ。

なんだか、白々しいですねぇ。僕と知り合ってからだって、清水君はレンゲさんにとって３人目の男なんですよ。

デンマンさんは、そうやってまたあたしを世界のネット市民の皆様の前で“ふしだらな女”として晒そうとなさるのですか？

違いますよ。僕はレンゲさんを晒そうなんて思った事がありませんよ。むしろ逆ですよ。僕はレンゲさんをすばらしい人だと思っているんですよ。

ウソです。あたしをこうして晒していますわ。

確かにレンゲさんは境界性人格障害という精神的な病（やまい）を持っている。だから衝動的に恋愛にのめり込んだり、それまで愛していた人を衝動的に拒絶する事もある。でも、その事を自覚しながら、精一杯障害から抜け出そうともがいている。今の日本には、人格障害を患っているにもかかわらず、全く自覚もなしに、さらに人格的に破滅の道をたどっている人がたくさん居るんですよ。そういう人から比べれ、レンゲさんはすばらしい。だからこそ、僕はレンゲさんの事をこうしてブログに書いているんですよ。

でも、あたしの欠点ばかりを強調して書いていますわ。

普通の人、つまり、健常者とレンゲさんのような境界性人格障害者の違いはね、普通の人にも５０の長所と５０の欠点がある。でも、健常者は５０の欠点を意識して見せないようにしている。ところが、レンゲさんには、それができない。境界性人格障害者を僕はそのように見ていますよ。つまり、衝動的に自分の欠点を自分で晒してしまう。健常者はそこまで衝動的にはなれないし、そこまで自分を晒すこともできない。でも、レンゲさんは長所も欠点もすべて晒してしまう傾向がある。だからこそ、次のような詩がレンゲさんには書けるのだと僕は思っていますよ。

至福の悦び

2006/06/10

あなたとわたしが結ばれるには
このベッドは小さすぎる

甘い蓮華の花が咲く
広くて果てしないお花畑が
あなたとわたしが愛し合うベッド

ぬけるように青い空が
あなたとわたしが愛し合うベッドの天蓋
天までとどく白い大きな４つのポストが
青空を支えるようにそびえている

蓮華の花びらが敷き詰められた
肌ざわりのいいシーツと
柔らかなダウンがいっぱい詰まっている
大きなまくら

朝から晩まで
あたなとわたしはベッドの中にいて
いっぱいキスして過ごす

ふたりはずっとわらっている
わたしはしあわせすぎて
時々泣いたりする

あなたはわたしの涙を
優しい唇で拭ってくれる
あなた...
いとしい人...

今のわたしの涙は嬉し涙
しあわせなメロディーが
この胸の中にとまらなくて
あなたの胸へと伝わってゆく

そしてわたしは
あなたのくちびるが
わたしのくちびるに
かさなる瞬間まで
じっと見つめている

まぶたをとじて
じっくりと味わう

わたしの愛を
あなたのくちびるに差しだす
あなたは舌でからめとる

わたしの愛が
甘く透きとおって
あなたの舌のうえで
ゆっくりととけてゆく

あなたの愛は
キラキラ光って
あなたのくちびると
同じ味がする

わたしは全ての感覚で
あなたを愛しているから
わたしの全てが
あなたを恋しく思う
あなた...
いとしい人...



もうすぐわたしは生まれかわる
この手で殻を破り
あなたの女になって...

あなたの愛がこの身体に
一直線の光となって
さし込んで来るまで
わたしはもがき続ける

あなただけの女に生まれるために
わたしは苦悩する
そして強くなる
次の殻を破るための
力を手に入れる
何度も何度も
わたしは生まれかわる
あなたのために
あなた...
いとしい人...

あなたの全てがいとおしい
あなたのまぶたをくちびるで愛撫する
くちびるから全身にしびれるような
熱い波がひろがってゆく
狂おしいまでに
わたしはあなたの腕に抱きしめられて身悶える

あなたがわたしをつつむやすらぎの光
おだやかな時がいつまでも流れてゆく
あなたにやっと出会い
そして愛し合う

こんなに強く抱きしめた腕
ふたりは確かに結ばれて
身も心もとけあう
あなた　・　・　・
いとしい人　・　・　・

あなただけが与えてくれる
この至福
あなただけが教えてくれる
この悦び
あなただけが癒してくれる
この寂しさ
あなただけが満たしてくれる
この虚しさ
あなた　・　・　・
いとしい人　・　・　・

初めての出会いから
分かっていた
夕べのしじまの中で
あなたと交わした愛が
とこしえに続くことを

愛している
今朝はすべてが澄み切って
誰にもじゃまはできない

あなたとわたしは確かに結ばれて
身も心もとけあう
あなた　・　・　・
いとしい人　・　・　・

by　レンゲ

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『至福の悦び』より

普通、これほどまでに自分の気持ちを表現する事はできないと思いますよ。つまり、これほど素直にはなれないですよ。

素直すぎると言う事はいけないことですか？

すばらしことですよ。だから上のような詩が書ける。でも、レンゲさんの場合には、それがすぐに行動に結びついてしまう。そういうわけで、健常者の目にはレンゲさんが極めて衝動的に、人を愛したり憎んだり嫌ったりするように見える。レンゲさんと対照的なのが直美ですよ。腹の中では怒っていても顔で笑うことができる。レンゲさんにはできない。腹の中で思っていることがすぐに表情に出てしまう。それを抑える事ができない。

あたしが詩を書けるのは自分の気持ちを抑える事ができないからなのですか？

本音と建前を使い分ける事ができないからですよ。直美のように本音と建前をうまく使い分ける事ができ人には詩が書けませんよ。第一、そういう人が書いた詩は面白くありませんよ。

どうしてですか？

本音で書かないからですよ。自分の気持ちよりも読んでくれる人のことが気になる。だから素直に書けない。“こんな事を書いたら、破廉恥ではないだろうか。。。？”　直美なら、そのように考えるから、レンゲさんのような詩は書けませんよ。

あたしが書いた詩は破廉恥でしょうか？

もちろん、僕はそのようには思いませんよ。

だって、デンマンさんは、今言ったばかりではありませんか！

だから、中には、そう考える人も居るかもしれない、という意味で言ったまでですよ。

デンマンさんは、本当にあたしの詩がすばらしいと思っているのですか？

もちろんですよ。レンゲさんだって、直感的に僕の詩評から感じるものがあった。だからこそ舞い上がるようないい気持ちになったんでしょう？上の手記の中でレンゲさんが書いていた通りですよ。詩の世界でならば僕とレンゲさんは比翼連理になれるんですよ。

現実の世界ではデンマンさんとあたしは比翼連理にはなれないのですか？

現実の世界に比翼連理はありませんよ。それは詩の世界、文学の世界、空想の世界の理想ですよ。現実に比翼連理があったら、それは奇形ですよ。異常ですよ。上の写真の鳥を見てくださいよ。こんなのが現実に居たら気味が悪いですよ。それをレンゲさんは現実の世界で追い求めているんですよ。

そうでしょうか？

そうですよ。清水君が浮気したからと言ってレンゲさんはカッカしていた。腹いせなのか、頭に来たのか、とにかくその勢いでバンクーバーまでやって来た。レンゲさんが清水君の心まで独占しようという事は、現実の世界で比翼連理になろうとすることですよ。そんなことは所詮、無理な事なんですよ。

どうして、デンマンさんはそう断定してしまうのですか？

だから、前にも僕はフロイトの名言を書いたでしょう。。。

どういう名言でした？

じゃあ、もう一度書くから、じっくりと読んでみてくださいよ。

When two people make love, there are at least four people present---the two who are actually there and the two they are thinking about.

--- Sigmund Freud

　
例え愛し合っている二人でも、心まで鎖をつけて縛り付けておく事はできないんですよ。

でも、あたしはベッドの中で愛し合う時って、相手の事しか考えませんわ。

レンゲさんはそうかもしれない。でも、何百何千という女性を相手にして治療をしたことのあるフロイトが上のようなことを言っているんですよ。冗談で言ったわけではないんですよ。

でも、あたしは違うんです。

分かりますよ。でも、大多数のカップルはフロイトが言ったように心の中で浮気をしている。さっきレンゲさんが、“どうしてあたしは長続きができないんでしょう？”と尋ねたけれど、その答えは、レンゲさんが相手の心まで鎖で縛りつけようとするからですよ。だから、レンゲさんには相手の浮気が我慢ならない。それで、終わりになってしまう。清水君との関係を本当に長続きさせたいのなら、レンゲさんだって浮気をしてはいけないはずですよね。

あたしは浮気なんてしていません。

つまり、清水君を愛しているという事ですよね。

そうですわ。

。。。つうことわああぁ～～、上で書いた熱烈な愛の詩の中の“あなた”というのは清水君の事ですよね？

それは。。。それは。。。

【ここだけの話しですけれどねぇ～、レンゲさんは、まだ清水君と仲直りする気持ちがないんですよ。でもね、正直言って、レンゲさんが日本へ戻ってくれたんで僕はホッとしていますよ。うへへへ。。。とにかく、レンゲさんの話はますます面白くなりますからね。これまでの話を読みたい人はリンクを貼っておきましたから、ぜひ読んでくださいね。】

　　　　　　　
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